親知らずの抜歯

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「歯を抜く」という行為は、どうしてもネガティブなイメージがあります。
名古屋駅前デンタルオフィスのコンセプトは「歯を残す」ことですが、「抜歯」はまさに、それと逆行する行為です。
しかし、予後が不良で、その歯を残しておくことで頬まで腫れ上がったり、全身に害を及ぼしたりする可能性がある場合、ご説明を差し上げてご納得をいただいた上で、残念ですが抜歯をすることもございます。
当院は、インプラントを積極的に推奨する医院ではないため、患者さんとご相談の上、残せる歯は残す努力は致します。

では、「親知らずの抜歯」についてはどうでしょうか?
名古屋駅前デンタルオフィスの方針をお伝えいたします。

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名古屋駅前デンタルオフィスでは、親知らずは基本的には抜歯したほうがよいと考えております。
現代人は下顎が小さいため、親知らずが真っすぐ出てこられず、斜めに生えてくることが多いのです。それで、虫歯になったり、歯茎が腫れたりすることがよくあるのです。

また、現代は超高齢化社会が進んでおりますが、年齢を重ねていくにつれ、抜歯は患者さん、施術者双方にとって大変な治療になります。
年齢を重ねますと、「癒着」といって、歯と骨がくっついてきてしまいます。
そうなってしまってから、痛みや腫れのために抜歯が必要になりますと、治療自体のリスクも大変なものとなります。
全身的な基礎疾患などがあれば、いっそうリスクが高まります。
そのようなことから、なるべく年齢が若いうちに、親知らずの抜歯を勧めることが患者さんにとってメリットがあると、名古屋駅前デンタルオフィスでは考えております。

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抜歯は「手術」ですから、患者さんにも歯科医師にも負担の大きいものです。

患者さんからすると、抜歯というのは、

  • 痛かった (抜歯の最中、抜歯後)
  • 腫れた (抜歯後)
  • 時間がかかった (抜歯の最中)

という、ネガティブな印象が残りやすいものです。

また、どの歯科医院でも、
「あそこの歯科医院で抜歯をしたら、痛かった、腫れた」
という評判が立つのは避けたいものです。
難しい抜歯は大変で時間が掛かる割に、保険点数が割に合わないという、医院側のもどかしさもあります。
だからといって「親知らずの抜歯は、大学病院や歯科口腔外科でお願いします」というのも、責任転嫁のようで好ましくありません。
また、患者さんが抜歯をしたがらないからという理由で、いずれ悪影響を及ぼすことが分かっていながら抜歯を勧めないのも、医療者の責任を十分に果たしていないと考えます。

名古屋駅前デンタルオフィスでは、本当に患者さんのためになるかどうかを考えて、抜歯治療をいたします。
抜歯は心身共に大変な治療ですが、本当に必要な場合には
「痛くない」
「腫れない」
「スピーディ」

という3点に、最大限の配慮を払って抜歯治療を行います。
抜歯は「手術」ですから、痛む、腫れるは正常な反応であることもお伝えしたうえで、できるだけ患者さんの苦痛を少なくする配慮をいたします。

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親知らずの抜歯をお勧めするのは、具体的には次のようなケースとなります。

1.虫歯が大きく進行した場合

親知らずに大きな虫歯ができている場合には、治療自体が困難であり、治療をしたとしても、磨き残しが多く予後が悪いため、抜歯をお勧めします。

2.歯茎の腫れ、炎症がひどい場合

親知らずの周りの歯茎が腫れ(智歯周囲炎)を繰り返していたり、炎症の程度がひどかったりする場合には、抜歯をお勧めします。
炎症が顎の下まで進むと、蜂窩織炎を起こすなど重症化し、入院が必要になる場合があります。時には、生死をさまようという場合もあります。

3.きちんと生える見込みがない場合

親知らずが歯茎から出ていても横に倒れて埋まっていたり、生えるスペースが足りずに生えきらない場合は、炎症や痛みが起こる前に、早めに抜くことをお勧めします。
また、横に倒れて、埋もれて生えていることで、手前の歯の根を押し込み吸収してしまうという悪影響を及ぼすこともあります。

4.歯並びに影響してしまう場合

親知らずが横に倒れて、埋まっている場合、隣の歯を押して歯並びがずれてしまうことがあります。
このような場合には抜かなければ歯並びがどんどん乱れてしまいます。

5.口の中の粘膜や顎関節に悪影響を与えている場合

親知らずがまっすぐに生えていて虫歯がなくても、嚙み合わせる親知らずが抜歯済みだったり、生えていないなどの理由で噛み合わない場合も抜歯をお勧めします。向かいの歯茎を噛んでしまったり、頬粘膜を傷つけ、口内炎を作る原因となってしまうためです。また、親知らずが生えていることで顎関節に負担が掛かり、顎関節症などを引き起こすことがあります。

上記のようなケースは非常に多く、多くの親知らずは抜歯した方が良いと考えられます。
基本的には当院で抜歯を行うことができますが、大学病院の歯科口腔外科等をご希望される方はご紹介いたします。

逆に、上記に当てはまらない親知らずは残しておいて良いと考えます。具体的には、

  • 真っ直ぐ生えている。
  • 嚙み合わせる歯がある。
  • 歯ブラシがきちんとできる。
  • 虫歯になっていない。

などの条件が揃っている親知らずです。やはり、こうした条件の親知らずは非常に限られていると考えられます。

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抜歯時によくあるトラブルに、「歯の根っこの先端が顎の骨の中に残ってしまい、そのままになっている」というものがあります。
これは、歯を抜いた後に出来る穴(抜歯窩)が深く、暗く、出血などでよく見えないために起きてしまうトラブルです。
これは肉眼や拡大鏡では、抜歯窩の奥まできちんと確認できないために、抜けきれない歯を残してしまった結果起きる重大な問題です。
根の先端が顎の骨の中に残ることで、感染の起きるリスクもあります。

そこで、活躍するのが、CT画像と歯科用顕微鏡です。
術前にCTを撮影し、根の形や向き、深さなどを確認しておくことが、迅速で、腫れ・痛みが少ない抜歯につながるのです。
また、抜歯にも顕微鏡が必要なの?と思われがちですが、見えないところが見えるようになる。
それが、顕微鏡なのです。
顕微鏡で見ながら抜歯する事により、確実に抜歯する事が可能になります。

親知らずの抜歯でお悩みの方は、ご相談ください。